日本人がプレミアリーグに挑戦する際に必要な労働許可証について

プレミアリーグの労働許可証について

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どうも、ひとえ(@t_football_love)です!!

皆さんはプレミアリーグに日本人や英国人以外の外国人が挑戦する際には労働許可証を得る必要があることはご存知でしょうか?

そしてその労働許可証を得るためにはザ・フットボール・アソシエーション(The Football Associiation:略称FA)というイングランドのサッカーを統括する国内競技連盟から推薦(Governing Body Endorsement:略称GBE)を受けないといけません

今回はこのGBEを受けるために必要な項目についてまとめましたので、気になる方はぜひ最後までご覧ください!!(FAが発表しているPDFに沿った内容を基に作成しました)

目次

そもそもなぜ労働許可証は何のためにあるのか?

世界で最も人気のあるリーグといっても過言ではないプレミアリーグですが、なぜ英国人以外のサッカー選手がプレーする場合に労働許可証を付与するのでしょうか?

答えは単純明快で、自国民の働き口が減らないようにするためです。

この労働許可証のシステムは、欧州サッカー界でも英国特有のシステムですが、サッカー選手に限らず、英国の就労ビザ取得は審査が厳しく、「英国の成長に貢献できる優秀な人材」に基本的に限られています。

この労働許可証が得られなかったことが理由でプレミアリーグに挑戦できなかったとされている日本人は以下の通りで結構います(涙)

  • 2001年 宮本恒靖 ウェストハム
  • 2002年 三都主アレサンドロ チャールトン
  • 2009年 家長昭博 プリマス
  • 2012年 前田遼一 ウェストハム
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次の項目ではFAが何の項目でどのような指標を定めているのかを解説していきます!

FAが指定している指標について

労働許可証を得るためにはFAの推薦が必要なわけですが、FAに推薦してもらうためには指定された以下の6項目で合計15ポイントを獲得する必要があります。

  • 代表での出場割合
  • 国内リーグでの出場割合
  • クラブでの大陸選手権出場割合
  • 前年度クラブのリーグ順位
  • 前年度クラブの大陸選手権順位
  • 現所属クラブのリーグレベル

強い代表チームの選手、強いリーグで活躍している選手、著名な大会で活躍している選手はきっとイギリスにも利益をもたらしてくれるはず!という理念のもとにポイントが設定されているので、弱い国の代表やリーグの選手はプレミアリーグに移籍しづらくなっているのです…

それぞれの代表とクラブの項目に分けて解説していきます!

代表での項目について

FAは代表での国際試合出場割合によってポイントを選手に付与しますが、付与されるポイントは国の世界ランキング(対象期間のFIFAランキングを平均化したもの(12か月or24か月)によって傾斜がつけられています。傾斜は以下の表の通りです。

国際試合出場割合FIFA
1-10
FIFA
11-20
FIFA
21-30
FIFA
31-50
FIFA
51以降
90~100%Auto PassAuto PassAuto PassAuto Pass1
80~89%Auto PassAuto PassAuto PassAuto Pass0
70~79%Auto PassAuto PassAuto Pass100
60~69%Auto PassAuto PassAuto Pass80
50~59%Auto PassAuto Pass1070
40~49%Auto PassAuto Pass960
30~39%Auto Pass10800
20~29%109700
10~19%98000
1~9%87000

すべての試合が対象になるわけではなく、対象となるのは以下の試合です。

  • FIFAワールドカップ本戦および予選
  • UEFA欧州選手権とその予選
  • UEFAネーションズリーグ
  • CAFアフリカネイションズカップとその予選
  • AFCアジアカップとその予選
  • CONCACAFゴールドカップ(ユーロの北中米カリブ海版)
  • CONCACAFネーションズリーグ(ネーションズリーグの北中米カリブ海版)
  • CONMEBOL&UEFAファイナルシマ(ユーロチャンピオン対コパ・アメリカチャンピオンの試合)
  • CONMEBOLコパ・アメリカ(ユーロの南米版)
  • OFCネイションズカップ(ユーロのオセアニア版)

日本人お馴染みのキリン・チャレンジカップなどの国際親善試合はカウントに含まれておらず、所謂ガチ試合に出場できているガチ選手のみを評価しているスタンスです。

表からもわかる通り、FIFAランキングが50位までの国の選手の場合、2年間スタメン~準スタメンを維持できていれば自動的に15ポイント付与されて問題なくプレミアリーグに移籍することができますし、スーパーサブ的位置付けの奴でもFIFAランキング上位ならしれっと移籍できます。

ここ数年日本のランキングは20台で推移していることが多いので、スーパーサブ的な位置付けだと厳しく、直近ですと三苫選手がこの状況に直面しました。ブライトンと契約したものの、1年間はベルギーリーグで経験を積むことになりました…。

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まぁ結果的に海外リーグになれることができてブライトンでのスタートダッシュに繋がったともいえるので、この回り道はわるくなかった…かもしれませんが、代表で頭角を現し出した日本人選手にとって、勢いそのままにプレミアリーグに移籍することはかなりハードルが高いのです。

じゃJリーグでコンスタントに結果を出していればいいのか?というとそうでもないのがFAの厳しいところ。次に国内リーグでの出場割合について解説していきます!

クラブでの項目について

世界中のリーグは6つのBandに分けられており、レベルの高いリーグほど出場割合や成績に応じて得られるポイントが多くなる仕組みです。FAが定めているリーグのBandは以下の通りです。

Band1

  • イングランド・プレミアリーグ(イングランド)
  • ブンデスリーガ(ドイツ)
  • リーガ・エスパニョーラ(スペイン)
  • セリエA(イタリア)
  • リーグ1(フランス)

Band2

  • プリメイラ・リーガ(ポルトガル)
  • エールディビジ(オランダ)
  • ベルギー1部A
  • トルコ スーパーリーグ
  • イングランド チャンピオンシップ(2部)

Band3

  • メジャーリーグサッカー(アメリカ)
  • ブラジレイロ・セリエA(ブラジル)
  • プリメーラ・ディビシオン(アルゼンチン)
  • リーガMX(メキシコ)
  • スコティッシュ・プレミアシップ(スコットランド)

Band4

  • チェコ1部
  • クロアチア1部
  • スイス1部
  • ウクライナ1部
  • ギリシャ1部
  • コロンビア1部
  • オーストラリア1部
  • デンマーク1部
  • ロシア1部
  • リーガ・エスパニョーラ2部
  • ブンデスリーガ2部
  • フランス2部

Band5

  • セルビア1部
  • ポーランド1部
  • スロベニア1部
  • チリ1部
  • ウルグアイ1部
  • スウェーデン1部
  • ノルウェー1部
  • ハンガリー1部
  • 日本1部
  • 韓国1部
  • イタリア2部

Band6

  • Band1, 2, 3, 4, 5以外のリーグ

悲しきかな日本が世界に誇る?JリーグはBand5にカテゴライズされております…。が、じつは2023年にBand5に昇格できており、それまではBand6にカテゴライズされていたので、世界との差は縮まっているのかもしれません…(涙)

この記事を作成しながらこの組み分けの妥当性も考えてみました。だいたい異論はないのですが、自国の2部リーグをBand2にして、ほかのBand1の2部リーグをBand4にしているのは何となくやりすぎな気がしましたね(笑)。まぁ確かに一番競争力のある2部リーグであることは間違いないと思うのですが…。

そして気になる各Bandのクラブに所属しているときポイント傾斜表は以下通りです。なお、レンタルされている選手の場合はレンタル先かレンタル元の高い方のポイントが付与されます。

所属リーグポイント
Band112
Band210
Band38
Band46
Band54
Band62

次にリーグでの出場割合で付与されるポイントは以下の通りです。

リーグ出場割合Band1Band2Band3Band4Band5Band6
90~100%12108642
80~89%1197531
70~79%1086420
60~69%975310
50~59%864200
40~49%753100
30~39%642000
20~29%000000
10~19%000000
1~9%000000
ユース選手654321

また、所属クラブの大陸大会の出場時間においても別途ポイントが付与されるのですが、大会自体は以下のようにBand分けされています。

  • Band1
    UEFAチャンピオンズリーグ(欧州) コパ・リベルタドーレス(南米)
  • Band2
    UEFAヨーロッパリーグ(欧州)、コパ・スダメリカーナ(南米)
  • Band3
    Band1と2以外の大陸大会

大会の出場割合で付与されるポイントは以下の通りです。

大陸選手権出場割合Band1Band2Band3
90~100%1052
80~89%941
70~79%830
60~69%720
50~59%610
40~49%500
30~39%400
20~29%000
10~19%000
1~9%000

また労働許可証を申請する直近1シーズンの最後に所属していたクラブのリーグの順位と大陸大会の順位に応じて以下のポイントが付与されます。

リーグの最終順位Band1Band2Band3Band4Band5Band6
優勝654321
Band1 大陸選手権
グループステージ出場権獲得
543210
Band1 大陸選手権
予選出場権獲得
432100
Band2 大陸選手権
グループステージ出場権獲得
321000
Band2 大陸選手権
予選出場権獲得
210000
中位100000
降格000000
昇格11111
大陸選手権の順位Band1Band2Band3
決勝1072
ベスト4961
ベスト8850
ベスト16740
ベスト32630
グループステージ520
その他000

それぞれのポイントに関して表にしてまとめてみましたが、いかがでしょうか?ご覧になってわかるように、ポイントの付与タイミングは結構あるのですが、FAは欧州と南米のサッカーしか勝たん!言わんばかりのポイント傾斜になっています(笑)。

このため、日本人選手がプレミアリーグに挑戦することにおいて、ヨーロッパ(もしくは南米)のクラブに移籍することがめちゃくちゃ大事ということですね。

JリーグはBand5にカテゴライズされていることからもFAとしては大したリーグとは考えられておらず、リーグ戦フル出場したとしても8ポイントしかもらえませんし、必死のパッチでリーグ優勝してACLも優勝したとしても4ポイントなので、Jリーグにいる限り最大で12ポイントしかもらえません…。

近年日本人の移籍先として多くなっているベルギーリーグはBand2にカテゴライズされており、順位関係なく、フル出場できれば20ポイント、50%でも16ポイントもらえるのでリーグ戦に出ることができればプレミアリーグ挑戦の切符を得ることができるわけです。

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代表での実績がなかった橋岡選手がプレミアリーグに移籍することができたのは、シントトロイデンに移籍したおかげということですね。

最後に

外国人がプレミアリーグに移籍する際に必要な労働許可証を申請するために求められるポイントについてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?

個人的に調べてみて意外とポイントを獲得するチャンスは結構あるんだなという印象を持ちつつも、アジアの選手にとってはプレミアリーグ直通は難しいんだなーと痛感しました。

日本人の場合は代表の実績という力技もありますが、古橋選手のように実績を残しても代表に呼ばれないケースもありますし、代表に定着していない若い選手がプレミアリーグに挑戦するためにはBand2のクラブに移籍しないと話になりません

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現在、冨安選手や遠藤選手が爪痕を残そうと奮闘していますが、ブンデスリーガと比べるとまだまだ日本人の活躍が少ないプレミアリーグ。日本のワールドカップ優勝を死ぬまでに見たい私としては、どんどんプレミアリーグで活躍する選手が増えてほしいと思っておりますので、有能な若い選手には積極的にBand2クラブを目指していってほしいところです!今後もベルギーリーグさん、オランダリーグさんよろしくお願いいたしますよ!

わーわー言うとります!お時間です!さようなら!

プレミアリーグの労働許可証について

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