2023年2月6日、プレミアリーグが声明を発表しました。簡単に言うと以下の通りです。
マンチェスター・シティに財務違反の疑惑がある
サッカー界で大きいインパクトを放っているこのニュース。今回の記事は私のような
マンチェスター・シティが何をやらかしたのか気になる!!
これからマンチェスター・シティに何が起きる可能性があるのか気になる!!
とういう方のために、私がネットで情報をかき集め、まとめてみました。金満クラブのマンチェスター・シティに何が起きているのでしょうか?
マンチェスターシティについて
10-11シーズン以降、毎シーズンプレミアリーグのトップ4入りを果たしているマンチェスターシティ。すっかり強豪クラブですが、アラブ首長国連邦(UAE)の投資グループ「アブダビ・ユナイテッド・グループ」に買収されるまでは中堅〜下位クラブという位置付けでした。
創設は1880年に後のマンチェスターシティとなる団体が設立され、1894年からマンチェスターシティとして活動しており、120年以上の歴史があるクラブです。しかし、92年に創設されたプレミアリーグの創設メンバーにはなったものの、96年には2部に降格、97年には3部まで降格しております。そんなどん底からなんとか這い上がり、03年にはUEFAカップの出場するとこまで復活したものの、プレミアリーグに残留するのが精一杯なチームでした。
ちなみに豆知識として、マンチェスター・シティの著名なファンとしては、元Oasisのギャラガー兄弟が有名です。兄弟どちらも嫌いなものを聞かれた際のインタビューでは、マンチェスターユナイテッドと答えるぐらいの徹底ぶりですし、クラブの資金繰りがやばかった時は資金援助もしていたとか(笑)。この熱意にクラブ側も応えており、マンチェスター・シティのユニフォームモデルを務めたり、ハーフタイムではスタジアムでOasisの曲が使用されています。
しかし、2008年に「アブダビ・ユナイテッド・グループ」に買収されたことで、状況が一変します。新オーナーのシェイク・マンスールさんの推定純資産は200億ドル(約2兆3000億円)と言われている、ちょっと意味がわからないぐらいのお金持ちです。マンスール率いるアブダビグループは初年度からクラブに力(お金)を注ぎ込んでいき、ビッククラブへの道を爆進し続けます。
マンチェスター・シティが現実世界でサカつくを行っているかの如く、選手を獲得しまくってきた歴史はいつかまとめる予定ですが、最初にロビーニョをマドリーから獲得したときは度肝を抜かれたのを今でも覚えています(笑)。
圧倒的資金力を背景に選手を補強しまくった結果、2011年には念願のリーグ優勝を果たすことに成功。現在は悲願のチャンピオンズリーグ優勝を目指して、ワールドクラスの選手を毎年獲得しています。
今回の騒動は、この圧倒的資金力を背景に選手を補強しまくるマンチェスター・シティにプレミアリーグが「待った!」をかける形となったわけですが、マンチェスター・シティは一体全体何をしたのでしょうか?
マンチェスターシティは何をしたのか!?
23年2月6日にプレミアリーグが発表した声明によると、昨シーズンの覇者マンチェスターシティに100件以上の違反があったそうです(笑)。違反の内訳は以下の通りです。
- 財務状況の報告に過ちがあった:51件←こいつが大半
(09/10〜17/18の9シーズン) - 監督と選手への報酬報告に過ちがあった
(09/10〜15/16の7シーズン←監督は09/10〜12/13シーズンのみ) - UEFAのFFP(ファイナンシャルフェアプレー)違反
(13/14〜17/18の5シーズン) - プレミアリーグの利益規定違反
(15/16〜17/18の3シーズン) - プレミアリーグの調査への協力違反
(18/19〜22/23の5シーズン)
これらの中でも「財務状況の報告に過ちがあった」と「監督と選手への報酬報告に過ちがあった」が問題です。なぜなら、これらが証明されてしまうと、芋づる式にしたの3つも証明されてしまうわけなので、マンチェスターシティとしては是が非でも上2つの無実を証明しなければなりません。
今回はマンチェスター・シティが主役となっておりますが、サッカークラブとお金の問題はちょくちょく起こります。なぜ起きてしまうのか?それは最近ビジネス色が強くなっているものの、無茶な経営してでもクラブを強くしたいというオーナーがいっぱいいるからです(笑)。
ビッククラブでいくとバルセロナも無茶な補強で首が回らなくなりメッシを手放すことになりましたし、プレミアリーグに目を向けると2002年にはレスター、2007年にはリーズ、2009年にはサウサンプトン、2010年にはクリスタル・パレスは倒産しています(泣)。
サッカー業界がインフレしていることも影響していますが、他のクラブがお金を使う→自分たちも使わないと、ファンからも不満がでるし、そもそも選手が揃わないと成績を残せない→降格したら収入が減ってしまう→補強しなきゃ(使命感)。という思考のもとバンバンお金を使うわけです(泣)。
というわけで、ヨーロッパのクラブに蔓延っていた慢性的な赤字体質を改善すべく、ファイナンシャル・フェアプレー(FFP)という制度がUEFA(欧州サッカー連盟:Union of European Football Associations)理事会で導入が決定され、2011-12シーズンから正式にスタートしました。
FFPにおいて収支チェックの対象となるのは、クラブが毎年発表している決算報告書です。審査の対象となる「収入」と「収支」は大きくわけると以下の項目。
【収入】
- 入場料
- TV放映権
- 広告・スポンサー料
- マーケティング収入
- 選手の売却益
【支出】
- 人件費
- 営業費用
- 選手獲得費用
- 借入金の返済
ちなみに、スタジアムやトレーニング施設などの長期的な投資による負債や育成部門の費用は支出には含まれず控除されるのと、選手の移籍金は分割払いにすると、その年に支払う分だけ支出として計上されるという抜け道も一応用意されています。
FFPによって支出超過限度額が設定されており、違反した場合は罰金やチャンピオンズリーグの選手登録制限などのペナルティーを受けることになります。というわけで各クラブはこのFFPに違反しないように「収入」を増やすことを頑張るわけで、最近アジアツアーとかを行なっているビッククラブが多いのはFFPの影響です。金を稼ぎにアジアにきているわけですね(笑)。
ツアーで稼ぐのは正当な方法ですが、マンチェスター・シティはそれだけではなく、オーナーと関連のあるエティハド航空から多額のスポンサー費用を交わして収入を水増ししたり、選手や監督への報酬をちょろまかした疑いがあるというわけです。次からは具体的にどういった疑いがあるのか?をご説明します。
疑惑①マンチーニ監督の報酬の虚偽報告
09-13シーズンにマンチェスター・シティの監督を務めたロベルト・マンチーニ。マンチェスター・シティにプレミアリーグ優勝をもたらした英雄的監督ですが、マンチェスター・シティから145万ポンドの給与をもらっていたそうです。2023年2月18日時点で1ポンド≒160円なので、約2.3億円!!私が2年間かけてブログで稼げたのが5,000円なので、マンチーニ先生は私の稼ぎの46400年分を1年でもらっていました(泣)。
これだけでも十分羨ましいのに、マンチーニ先生はアル・ザシラというアブダビが保有する別クラブから175万ポンド(約2.8億円)ももらっていたそうです(笑)。マンチェスター・シティが会計に記載しているの145万ポンドのみですが、どちらもアブダビ保有のクラブで、実際のところはマンチーニ先生に対して320万ポンドを払っていたのではないか?という疑いをかけられています。
疑惑②スポンサーボーナスの捏造
マンチーニ先生が解任される契機となってしまった2013年FAカップ決勝戦。リーグは大不振だったものの、FAカップでは快進撃を続けていたウィガンにまさかの敗戦をしてしまったマンチェスター・シティ。この年、マンチェスター・シティは990万ポンドの赤字を計上する見込みとだったそうで、優勝したときのスポンサーボーナスで赤字を減らそうとしていたみたいです。しかし、現実はまさかの敗戦。焦ったマンチェスター・シティの上層部は「優勝したことにしてスポンサーボーナスを発生させよう」としていた内部メールの存在が報告されています。
また、この敗戦によって12-13シーズン無冠が確定したことでマンチーニ先生を解任することになるのですが、違約金の1000万ポンドもスポンサーから支払うことで乗り切ろうとしていた内部メールも報告されています。スタジアムとか施設の投資にはオーナーのお金をいくら注ぎ込んでも資産になるのでオッケーなのですが、選手や監督の契約・解任といったクラブに係る費用はクラブの収入で行うというのがFFPの大原則なのです。このFFPの大原則にマンチェスター・シティは従っておらず、アブダビの資金力を不正に使用している疑惑が数多く持たれているのが現状です。
今後マンチェスター・シティはどうなるのか?
今回はプレミアリーグとバトルするマンチェスター・シティですが、2020年にはUEFAとバトルして無実を勝ち取っています。先ほど紹介したようなスポンサー収入の水増し報告などによるFFP違反をしていたとして、2020年2月にマンチェスター・シティの2年間のチャンピオンズリーグ出場停止処分をUEFAが発表しましたが、即刻提訴します(笑)。そして2020年7月にスポーツ仲裁裁判所から「UEFAの調査に協力しなかったことで大会参加を禁止するのは不適切」としてUEFAの裁定を認めない判決を下しました。
ただ、当時UEFAは負けたものの、マンチェスター・シティが「やっていないことを証明できた」わけではなく、「やっているとは言えない」から無罪だっただけで、プレミアリーグはその後もこつこつ調査を続けてきたわけです。そして、プレミアリーグは証拠が揃ったということで、満を侍して今回動き出したわけです。
しかし、プレミアリーグの王者であり、訴訟に関しても強気のマンチェスター・シティもすぐに声明を発表。ざっくりまとめると「びっくりしてます!でも、覆しようのない証拠の提出をまってます!白黒つけれて嬉しいです!」という王者の風格漂う煽り声明で、全面戦争待ったなしという状況ですね(笑)。
全面戦争に向けてマンチェスター・シティは年俸37億円の敏腕弁護士と契約するなど、ちゃくちゃくと準備を進めているようです。ちなみにこの年俸はデブライネと同額のサラリー!マンチェスター・シティの本気具合が伝わってきます(笑)。
それもそのはずで、今回マンチェスター・シティが無罪を勝ちとれなかった場合、以下のようなことが発生すると報道されています。
・罰金
・勝ち点没収
・タイトル剥奪
・プレミアリーグ追放
さすがに有罪だったとしてもプレミアリーグ追放はないかなーと思われますが、罰金だと正直痛くも痒くもないので、勝ち点没収かタイトル剥奪のどちらかが落とし所ではないかと個人的には思っています。
ただ、この戦争はかなり長期戦になることが予想されますね。不服申し立てのラリーとかになる可能性が高いです。もしマンチェスター・シティが無罪じゃなかった場合、絶対他のプレミアリーグのビッククラブにも飛び火すると思いますので、注視していきたいと思います!
最後に
もしマンチェスター・シティが有罪確定で、仮にタイトル剥奪になった場合、プレミアリーグの優勝チームは以下のような歴史になるそうです。
11-12シーズン:マンチェスター・ユナイテッド(ファーガソン政権)
13-14シーズン:リバプール(ロジャーズ政権)
17-18シーズン:マンチェスター・ユナイテッド(モウリーニョ政権 )
18-19シーズン:リバプール(クロップ政権)
20-21シーズン:マンチェスター・ユナイテッド(スールシャール政権)
21-22シーズン:リバプール(クロップ政権)
本人たちやファンが喜べるかは別として、タイトルから離れてしまっているユナイテッドが復権できていたり、クロップが三冠を達成していたりとそこそこ歴史が変わってしまいますね(笑)。
ただ、最もインパクトあるなぁーと個人的に思うのは13-14シーズンのリバプール優勝ですかね。リーグタイトルに恵まれなかったジェラードがプレミアリーグで優勝できていた世界線というのは興味わいてしまいます・・・。リーグ優勝させてあげたい気持ちが湧いてしまいます。
お金があるんだから使って何が悪い!?というマンチェスター・シティの考えも正しい気もしますが、ルールに則っていないのはスポーツマンシップとしていかがなものかと思うので、今回の件は非常に難しい・・・。
ただ、サッカーファンとしては今後もマンチェスター・シティにはヨーロッパの舞台で戦ってほしいと思いますので、お灸を据える程度の判決を期待したいところです。
わーわー言うとりますが、お時間です。さようなら。
コメント